登山したいけどまず何をすればいい?

登山

登山したいけどまず何をすればいい?

初めての登山は富士山だった。ちょっとしたエンタメ感あって気合と根性の世界観で上った。
まぁそれがきっかけでまじめに登山を始めようと思ったんだが、

 

「まず、何をすればいいんだ・・」

 

という壁にぶつかった。

「山に行って山に登る、安全と健康を保って帰宅する。ごみは持ち帰る。」ことくらいわかる。

もっと具体的に何を準備してどうすればいいのか全く分からなかった。こんなこと思うのは多分少数派だろうけど、そういうニッチな同志の為に体験談を残しておくことにした。

 

当時を思い出してみると、こんな疑問に溢れていた。

沢山山があるけど、どうやって選ぶのか?(山が多すぎるし差別しにくい)
登山ってどこから登ってもいいの?(「登山口」の存在を知らないのでスタート地点が定まらない、360度どこからでも行けると思ってる)
どの山にもコースがある?(コースルートの存在を知らない)
1000mて高いの?低いの?(基準や一般的なことを知らない)
道具は?(道具の重要性を知らない、靴とバックパックくらいしかイメージできない)
など

 

初めてレベルだと、この様な疑問が生まれてしまうのだ。

また紹介サイトで「難易度が~」とか「装備を~」など色々書いてくれてるんですけど、高齢者目線なのか普段から運動バリバリしている人目線なのか基準がわかりにくい。「難易度」って具体的に何がどう難しいのかよくわかりにくい。
装備に関しても、”保険大好き日本人”気質が出ているようで、滅多に使わないものを持たせようとしている感があり、そりゃ”無いよりあったほうが良い”のは分かるが・・という感想を持ってしまってた。

後に「登山口」という存在を知った時はレベルが上がったと感じたほど。こういう当たり前の説明が世の中に不足している。

ここでは、「こうしたらいい」とか「これを用意すべき」という説明はしないが、一つの体験談として参考になればと思う。

 

まず行先の山を選んだ

「行先を決める」

簡単なようで中々難易度高いと思った。

なんせ

「どの山に登りたいとかは無い。どれでもいい。」

 

”とにかく何でもいいから登らせてくれ、登りたくて仕方がないんだ”って感じで、ハングリーそのものであった。

もちろん山の紹介サイトとかも拝見したけど全然決まらない、なんか決め手がない。山のスペックとかどうでもいいし難易度出されてもよくわからないし、経験者同士でやっててくれって感じだった。

参考になるものが、あるようでなかったので自分で切り開いていくしかなかった。とにかく大量の山の中から行先を選ばないことには先へ進めない。

そこでまず、条件を出してみた。この時は、

・日帰り
・なるべく近場
・寄せ集めの道具で上れるレベルの山
・短時間ではなくて丸一日使いたい

 

考えられる条件を自分なりに少しでもいいからリストに出してみると、作業を始めやすい。

これらの条件を満たせるように近場(東京周辺)でGoogle Map開いてみた。単純に緑色の部分が山や森が多いエリアというのは分かったので、そうすると秩父、奥多摩、丹沢方面に目が行った。

「このエリアで登山ができるのかな?」という具合で適当なワード検索してみると(例えば、「奥多摩 登山」とか)、登山はできる様子。それどころかかなりの数が出てくる。予想以上に山は多いし、どれも同じように見えてしまう。

しかし、山紹介サイトを複数見ていると共通した山が何度も紹介されているのに気づく。嫌でもその名前を憶えてしまう、何個か覚えた山を挙げてみると、「高尾山、丹沢山、雲取山、大岳山」などが多く出てきた。この時、高尾山はただの観光地だと思っていたのでスルーした。他については、知らない山だがもうこの中からでいいやって気持ちで選ぶことにした。それぞれ山を検索すると「大岳山」が条件に沿っていると思い、それに決めた。

 

アプリの存在を知る

行先の山が決まれば、その山を検索などすれば情報が出てくる。でもそんなWeb上にある情報だけを信じて進んでいいのか不安視していた。古い情報、間違った情報などが腐るほどある世の中、もっと確実性のある情報が欲しかったし、そもそも登山口の数や頂上までのルート数の母数がわからないしもっと全体図を見た上で決めたかった。情報サイトをみても、おすすめを抜粋した情報しか載っていないようにみえたので、全部見た上で気に入ったやつを選びたいんだよって気持ちがあった。

そんな中偶然、登山用アプリの存在を知った。

 

「!!!!!!!!!!!!!!!」

 

ヤマレコ
YAMAP
ジオグラフィカ

 

比較するのも面倒なので3つともインストール、5分いじって感触がいいもの1つを選ぶことにした。

自分にとっては、ヤマレコだった。

フレンドリーな操作性と検索が思うようにできたことと、統計データの蓄積が楽しめそうだった。YAMAPも悪くなかったが瞬時に知りたい情報を得ることができなかったことと、YAMAPが「やまぴー」なのか「やまっぷ」なのかわからなかったのでもういいやって感じだった。ジオグラフィカは玄人臭がしたのでまたなって感じだった。

細かいことは使いながら覚えるとして、どんな情報が出てくるのかが楽しみだった。まず「大岳山」で検索すると、知りたかった情報が山ほど出てくる。

「これだよこれ。」

やはり山の中で歩行できるルートはある程度決まっていて、その中から選択するものだと理解できた。またその末端には登山口というものが存在していて、これが入口と出口の役割をはたしている場所。これもある程度個数が限定されている。

やっと登山のスタートラインまで来れたような気がした時だった。

 

登山口とルートを決める

そうと分かれば、アプリをいじってルートを決める。迷路みたいでこの選択でいいのかどうか時々不安になるが、ここに道が存在しているなら好きなの選んでいいんだろうと適当にポチポチ道をつないでいく。

すると距離や推定時間も表示される

なるほど。

この時間を目安にルートを作ればいいのかと思い、ポチポチルートを作っては直した。

「んー、短いなぁ」
「同じ道通りたくないなぁ」
「どうせなら入口とは違う場所を出口にしたいなぁ」

と、思いが湧いてくる。

登山口はかなり限定されているので、まず入口と出口を決めた。
次に、入口と出口のルートを適当に繋いだ。推定距離と時間が表示されるので自分の運動能力と相談して多分行けるだろうという感覚で設定した(過去の経験データがないので想像と感覚で決めるしかない)。

車で行く予定だったので登山口近くに駐車場の有無を確認した。今回は入口出口どちらにもあったので、出口の駐車場に車を停めて、電車で入口のほうへ移動するようにした。そうすれば登山後の出口で手間なく車に乗れると思ったからだ。我ながら初仕事にしては上手くできたんじゃないかと思った。

その当時のルートとログがこれ

 

スタート直後に早速ルートを間違えてるログもしっかり残っている・・。
寧ろ早々にこの失敗を経験できたお陰で慎重に進むことができた。

 

装備

行先、登山口(出入口)、登山ルートは決まった。

この「大岳山」は登山界の中ではどんな山なのかはよくわからなかった。高いのか低いのか、難しいのか簡単なのか。紹介されているサイトを読む限りでは、割と多くの人が気軽に行ける一般的な山の印象を受けた。

そして、装備

「あれが必要」、「これがあったほうがいい」などいろいろ推奨してくるネット情報。

言いたいこと分かるが、こちらはいきなり全部揃える気はないし、本当に必要だと感じた時に買うくらいの気持ちで手持ちのスポーツ用品やアウトドア用品で寄せ集めた。

その時の持ち物リストがこちら

衣類
  • シューズ(メレル カメレオン7 ミドルカット)
  • レインウェア(ワークマン)
  • ベースレイヤー(海用長袖ラッシュガード)
  • 化繊Tシャツ半袖(マリンショップで買ったやつ)
  • ハーフパンツ(普通のコットン)w/タイツ
  • 手袋(サッカーのフィールドプレイヤー用)
  • ハット(ノーブランド)
ギア
  • バックパック28L(アクアパック)
  • ウエストポーチ(コールマン)
  • ヘッドライト(Gentos) w/予備電池
  • ボトル(ナルゲン 1L)
  • シングルバーナー(SOTO ST-310SB)
  • クッカー(Amazonノーブランド)
  • CB缶ロングx1
  • 折り畳み座布団(キャプテンスタッグ)
  • サングラス(オークリー)
  • スマートウォッチ(Garmin Instinct2 dual )
  • モバイルバッテリー(Anker 16000mAh)
その他
  • 食料
  • 水 1.75L
  • カメラ(Sony α6400)
  • コーヒー用具一式(ミル、豆、ドリッパーなど)
  • トラッシュバッグ(モンベル)
  • 衛生品(歯ブラシ、コンタクト用品、テーピング、痛み止め薬など)

 

山に行くのに海用の装備を使ったり、運よくキャンプや旅行はよく行くのでその時のアイテムを用意したりと、そこそこポイントは抑えられたんじゃないかと思う。因みに9月のまだまだ暑い時期のこと。

夏場なのに上下ともにロングのインナー着たり、手袋したりとしてるけど自然環境の中で素肌出すの苦手なもんで気温関係なくいつでも着ている(虫嫌い)。

当時の細かい山行記録はこちらのブログに記録しているので興味があれば見てみて

奥多摩駅 → 愛宕山 → 鋸山 → 大岳山 → 御岳山 → 御岳駅
初登山の富士山を終えて、これが2回目の登山。装備は相変わらず登山仕様ではないが全然行けた。富士山では殆ど決まったルートから選ぶだけって感じだったけど、今回は自分で考えて決めていかなければならなかった。なぜ2回目の登山でこの”鋸山 → 大岳山...

 

一番重要だなと感じたのは、「食料、水」は抜かりなく持って行ったほうがいいと感じた。想像よりちょい多めでいいと思う。
これ持って行って便利だったと思うものは、「ウエストポーチ」。いちいちバックパックを下ろして荷物を出し入れする手間が省けるので予想以上に便利だった。

 

実行してみて

何をするにも一番初めはわからないことだらけ。

世の中の多くの方はそんなに苦労しない人の方が多いかもしれないが、逆にこんなニッチなところで苦戦する人が少なからずいる。もしかすると人によってはもっと苦労した人もいるかもしれない。

ただその一つ一つ解決させていく力は、遅かれ早かれ今後登山していく上での力になってくるので嫌にならずスタートしてみてほしい。いろんなサイトの情報を見て他人の意見を聞く謙虚さは大事だし、もっと大事なのは自分で考えることだと思っている。

最初は多くの経験が実になるので、学びが多く成長率も高い。経験していく中で「あー、靴替えたほうがいいな」とか「汗処理もっとどうにかならないかな」、「パンツはストレッチ性があるほうがいいな」とか色々改善したくなるポイントが生まれてくる。
そういう経験してきた上でギア購入していくと、本当に自分に必要なものを揃えていくことができるし、またその新しい装備機能の効果も身にしみて感じることができる楽しみもある。経験こそが一番の手っ取り早い学びだなと感じてる。

ルートの作り方も、経験を積んでくると段々効率が良いものになってきたり自分の能力にあったものになってくる。自分を知れることによって、よりチャレンジングなルートを選択することもできるようになり、幅も広がってくる。

登山中もスマホに登山アプリを入れて、登山開始とともにアプリをスタートさせればGPSにより自分の居場所をカーナビの様に教えてくれる。登山中にアプリを小まめにチェックしていれば迷子や遭難の確率はかなり下がってくる。

今回は、「登山したいけどまず何をすればいい?」のかというテーマで当時の経験を書きました。
「こんな奴がいるのか」とか「私ならこうしてた」とか色んなこと自由に感じてもらえればいいと思います。また同じような境遇の人がいれば一例として参考にしてもらえればよいと思います。

 

 

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