塩の道トレイル(スルーハイク)

アウトドア活動

今回のきっかけは、これまでロングトレイルは45km(2日間)クラスしかやったことがないので、もう一段階上の手頃な距離を探していたら高島トレイル(80km)と塩の道(120km)をというトレイルを見つけた、今回は天気の都合で塩の道を選択した。

必要日数は、他ハイカーの記録をいくつか漁ったところ中央値で5日間だった。色々計算した結果、自分の場合は3日で設定してみた。なぜ3日に設定したかというと、最短3日でゴールできた人がいたという前例があったことと、出来ると分かっている事よりもできるかわからないくらいのほうがチャレンジだと思うし、やりながら柔軟に調整すればいいと思った。目標がないと甘さが出るのでチャレンジな設定にした。

結論から言うとロングトレイルに慣れていないと3日は結構難易度高いと思う。距離にして40km/日の歩行距離になる。肉体的疲労は問題ないけど、物理的に足が死に出す。筋トレみたいに”限界点こそ至福”みたいな考えを持って行動してしまうと足が持たない。長距離歩いても膝や足の裏に負担の少ないシューズを選ぶこと勧める。

荷物は11kg(カメラ、食料、水など全部含む)。想定より重いと思ったが、登山ではないし40kmくらいいけるだろうと考えた。

宿泊は、テント、宿、野宿の3択。3日コースというスピードを要するパターンを選択したのでテントは軽量化の為仕方なく省いた。但し、寝具は野宿もできるように一応持っていった。もし5日間の設定にしてたなら絶対テント泊にしていたと思う。テント張れる場所はかなりあちこちにあったので使えてたらすごく楽しいだろうと思った。山でも町付近でもわりとテント張れそうな場所が沢山あるので困ることは殆どないと思ってよい。キャンプ場も適度にある。

ルート選択は、糸魚川と松本からのどちらからスタートするかは迷った。自分の脳内では松本→糸魚川だと都市→田舎となるので、(環境的にも肉体的にも)段々状況が厳しくなっていき、更に都市部からスタートする場合は日常環境と変わらない環境からスタートとなるので、感覚的にあまり古道を実感できなく面白さに欠けると思ったからだ。
逆に糸魚川からだと地方のアウェイ感で心高まり、すぐに古道らしい道を歩くので気持ち的に入り込めると思った、そして徐々に山から村へ、町から都市へ向かって歩いていくので荷物の量の計算や宿泊場所の計算もどんどん楽になるし、なんとなく時空が現代に近づいていくという変化も楽しめると思ったからだ。そもそも塩の道の歴史を読むと糸魚川から松本へ向かうほうが正しいのではないかと思うし、塩の道の一番面白いエリアといえば糸魚川市~小谷町~大町市なので先に楽しみたかった。旅の序盤は体や荷物のコンディションが良く、天気予報の確率も日程が近いほうが確率は高いと思うので山岳エリアを先に歩くことでリスク回避できるので早めに終わらせておきたいという考えもある。最悪リタイアすることになっても町があればどうにでもなんとかなる、そういう面でも問題が起きるのは序盤でなく後半に発生する確率があると思ったのでこのルートを選択した。結果的にとても良い選択だったと思う。

 

山行記録サマリー

日程 2023年11月06日(火) ~ 2023年11月08日(水) [3日間]
エリア 新潟県糸魚川市~長野県松本市
天気/気温 11/06:晴れ / 22℃~27℃
11/07:雨のち晴れ / 15℃~20℃
11/08:晴れ / 5℃~18℃
ルート 糸魚川・塩の道起点(MAP) → 松本・牛つなぎ石(MAP
宿泊 野宿予定だったが結果宿泊に
歩行距離 125km (登り3,066m / 下り2,437m)
歩行時間 34時間

 

ルート

GPXファイル:ダウンロード

塩の道は一本道ではなく複数のルートが存在します。今回もそのうちの一つとなり、基本的には「千国街道」というわりと正統派なルートを歩いてきました。

■11/06(1日目) 約45㎞/計13時間23分
糸魚川・塩の道起点 → 美山公園 → 松本街道 → 中山峠 → 白池 → 大綱峠 → 大綱橋 → 葛葉峠 → 道の駅おたり → 沢入 → 石坂 →(※宿泊のため巡回) 中土駅 → サンテインおたり(宿泊)

■11/07(2日目) 約40㎞/12時間3分
サンテインおたり → 千国 → 牛方宿 → 百体観音 → 白馬町 → おかるの穴 → 青木湖 → 中綱湖 → 木崎湖 → 大黒町 → 山岳旅館いとう(宿泊)

■11/08(3日目) 約40㎞/9時間49分
山岳旅館いとう → 仁科神社→ 佐々屋幾神社 → 宇佐八幡宮 → 安曇野市 → 新橋 → 牛つなぎ石(終点)

 

山行記録

全体図と宿泊地

 

11/06(1日目)糸魚川・塩の道起点~小谷村(サインテインおたり)

全ての始まりはここから

04時頃、前泊した宿から「塩の道起点」に到着。この標識が一つあるだけで少し盛り上がりに欠けるが気にしない。心は踊っている。11月早朝の日本海って寒いイメージあったけど長袖なんて着てられないくらい暑い。日中はもっと暑くなりそうなので早々にスタート(04時20分)

無人無音
女神転生的な雰囲気だが、街灯が多くて都会並に明るい

至る所に「塩の道」標識がある。こっちはやってる感出てくるからこういうのGood

美山公園に到着、ここから急激に闇が強まってくる

急に街灯がなくなりヘッドライトなしでは身動きできない。公園内にいるとわかっているけどなかなか怖い

 

綺麗な朝焼け

公園を抜けると朝焼けが出迎え。赤と青のコントラストがお出迎え。始まりの儀式的な

朝焼けの中、旧松本街道入口を目指す。焼けてるー

あまりにも綺麗だったのでこの景色を脳裏に焼き付けておく、一人旅は自由で良い

 

歩荷になりきって

旧松本街道入口に到着。その熊注意喚起標識・・”新品”なんですけど・・・。

どうせ歩くなら当時の歩荷になりきって妄想力高めて歩く。来た来たARの世界。見えるぞ当時の歩荷が

抜けると舗装路に出る

昔話に出てきそうなこの景色がたまりません

この旅してる感気に入ってる

塩の道資料館。閉まってました。

 

大網峠へ

山口関所・塩の道資料館を通過し、大網峠へ向かいます。この塩の道で一番の山道になる箇所

しろ池に到着。静かな場所でした。ここでも熊が出たらしいです。

大網峠を下っていく道。落ち葉が深くて転びそうになる

大網峠を下り平地につく。芝原の石仏群が現る、古道って感じ

集落に出た途端ルートがわからなくなる。事前に用意したルートだと民家に突っ込みそうな感じ・・・。
めんどくさいので方向感だけ合わせて歩く

ルートに戻った。あれ、大網峠越えたと思ったけどまだだったか

一本道なんですけどー。右の看板めくれててよく読めんな

通過後の出口側。予定ルートだと画面に映ってない撮影者の後ろに道があって折り返すはずだったが、確かに奥に向かう道はあるが行き止まりだった。結局ここまで戻って画像左側の下りを降りるしかないのでここを降りる

発電所を通り過ぎたところに橋があるのでそれを渡る。大きなホテルの建物が建っているのでそちらへ向かう

 

ハイカーのオアシス

ホテルの前を通り過ぎるとそこにはオアシスがある。綺麗なトイレと水道があり、たっぷり休む

オアシスから舗装路を歩いていくと、民宿が突如現る。そこを通り過ぎると葛葉峠に入る。この看板を10-20歩通り過ぎた左側に塩の道がある。

葛葉峠を通過すると道路に出て進むとトンネルが見える。このトンネルの中入るのかって覚悟を決めるが、直前で下をくぐる。ここまで来る前に道路の右側にいたほうが良いです。結構車両のスピードが出てるので横断が難しい。この後にももう一度トンネルが出てくるけど同じように右に向かうのでトンネルが出てきたら早めに右に渡っておくとよい

塩の道標識通りに進んでいくと開けた場所に出る。このすぐ先に「道の駅おたる」がある。この時点ですでに35km歩いてきたて体力的には問題ないが、足の裏がめちゃくちゃ痛む、登山の時とはレベチな痛み。そしてそろそろ寝床を考えなくてはならないし、もう少し距離を稼ぎたい気持ちもある。この北小谷駅エリアで寝るかまだ進むかは大きな分岐。進むなら峠と集落を通過して中土駅エリアあたりまで何もないし、そこまで約10㎞もある。

結局進むことにした。日も落ちてきたので気持ち急ぎ目

日が落ちる

「石坂」の集落まで来た。写真では明るいが実際は結構暗い、そして追い込むかのように予定外の雨が降り出す。この石坂から次の「池原」までのルートが山道だったが雨と日没が重なったため、並行して車が通れる道があったのでそちらへ迂回した。中土駅を目指す。

16時台で既にヘッドライトなしでは歩けないほどの闇の中、なんとか痛む足を引きずりながら中土駅に到着。無人駅なので誰もいないが電気、水道、トイレと必要なものは見事にそろっていた。管理が行き届いてめちゃくちゃ綺麗である。この空間のあらゆる物質の中で一番汚いのは自分だったと思う。(17時03分)

とにかく足が痛いので足を休ませながら携帯いじってたら、偶然ここから徒歩15分くらいのところに「温泉宿 サンテインおたり」を発見。電話で空室確認・・・。OK来たー!これぞ平日パワー!早速移動。

近くに塩の道トレイル史上初のコンビニもあり明日の補給にも完璧な立地。気になることと言えば足の痛み具合である。箇所は足の裏だけ。こんなところからこれほどの痛みをもららすとは初の経験だった。これまでも足の裏が痛いレベルは登山をしていればあったことだけど、説明できないくらい痛い、足の裏の筋肉を一回全部剝がして、剥がした筋肉をハンマーでつぶして、もう一度足の裏に張り付けた後の様な痛み。正直一晩寝ただけで良い状態まで回復するとは思えない。しかし寝るしかできないのでストレッチしてこの日は約45kmの歩行で終了。

 

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